ホームページの保守費用の相場は?契約に含まれる作業の確かめ方

ホームページの保守費用や更新費用の相場はどれくらいなのか、いま毎月払っている保守費用には何が含まれているのか。
そのことを知りたい、小さなお店や個人事業主の方に向けた記事です。

保守費用は、「どの作業を、どこまで任せるか」で決まります。
この記事では、作業が必要な理由、相場の代わりになる比べ方、見積もりと契約書で確かめるチェック表、自分でやる・任せるの線引きを順に紹介します。

なお、管理画面での更新の操作に慣れている方は、保守を頼まずに続ける選び方もあります。
その場合の考え方も、後半に書きました。

この記事の要点

  • 保守費用・更新費用の金額は、どの作業をどこまで任せるかで決まるため、相場の数字より先に、作業の範囲をそろえて比べます。
  • ソフトの更新、バックアップ、ログやパスワードの管理は、警察庁・IPA・WordPress の公式サイトが挙げている、誰かが続ける必要のある作業です。
  • 何が含まれるかは契約しだいなので、見積もりと契約書で、作業の範囲と解約のときの扱いまで確かめます。

先に結論:保守費用は「どの作業を、どこまで任せるか」で決まります

保守費用・更新費用は、公開した後のホームページの作業を、頼んだ先にどこまで任せるかの料金です。
だから金額は、任せる作業の範囲と量で決まります。

作業は、大きく2つのまとまりに分かれます。
1つは、サイトを安全に動かし続けるための作業で、ソフトの更新、バックアップ、ログやパスワードの管理がここに入ります。
もう1つは、中身を変える作業で、文章や写真の差し替え、ページの追加などです。
加えて、契約を終えるときの扱いも、保守の契約で決まります。

この3つのまとまりを一覧にして見積もりに当てはめると、別々の会社の見積もりも同じ物差しで比べられます。
任せる作業と自分でやる作業の境目もはっきりするので、更新を任せて本業に集中するか、自分でやって抑えるかを、納得して選べます。

ドメイン・サーバーなどの費用を含む維持費の全体は、ホームページの維持費の全体像でまとめています。
この記事では、そのうち保守・更新の作業の中身を詳しく見ます。

保守・更新は必要?誰かが続ける必要のある作業と理由

保守の中には、契約するかどうかに関係なく、自分か頼んだ先のどちらかが続ける必要のある作業があります。
警察庁・IPA・WordPress の公式サイトが挙げているものを、3つ紹介します。

※ここでの作業は、WordPress などで作ったサイトを前提にしています。
サービス側が更新やバックアップを行うホームページ作成サービスでは、受け持ちが違います。

ソフトの更新(WordPress 本体・プラグイン・サーバー側のソフト)

WordPress などのソフトを、新しい版にそろえていく作業です。

WordPress の公式サイトは、WordPress を常に最新版に更新すべきだと説明しています。
古い版では攻撃を受けやすくなるためです。
使っているプラグインも、常に最新に更新されているかを確かめるよう勧めています(出典:WordPress.org 日本語版「WordPress の安全性を高める」)。
警察庁も、ウェブサイトの改ざんを防ぐ対策として、サーバーのOSやソフトを最新の状態に保つことを挙げています。
CMS(WordPress のような、サイトを更新するためのソフト)のぜい弱性が悪用された事例も多数確認されている、という説明です(出典:警察庁「ウェブサイト改ざん対策」)。

更新には、自動で入るものもあります(出典:WordPress.org 日本語版「WordPress のアップグレード」)。
どの更新を、誰が、どの間隔で行うかが、保守の中身の分かれ目になります。
テーマ(デザインのひな形)の更新も含めて誰がするのかは、あわせて確かめておく項目です。

バックアップ(定期的に、更新の前にも)

サイトのデータを、別に保存しておく作業です。

WordPress の公式サイトは、データを定期的にバックアップするよう勧めています(出典:WordPress.org 日本語版「WordPress の安全性を高める」)。
更新を始める前にも、サイトをバックアップしておくよう勧めています(出典:WordPress.org 日本語版「WordPress のアップグレード」)。
更新とバックアップは、続けて発生する作業です。
警察庁も、定期的にバックアップを取り、正常なコンテンツと比べて、不正なファイルが置かれていないかを確認するよう挙げています(出典:警察庁「ウェブサイト改ざん対策」)。

取っているかどうかに加えて、いざというときに元に戻す作業を誰がするのかも、確かめておく項目です。

ログの確認とパスワードの管理

サイトへのアクセスや操作の記録(ログ)を確かめることと、管理画面に入るためのIDとパスワードを管理することです。

IPA(情報処理推進機構)の点検項目には、ログを保管して定期的に確かめることが入っています。
ログは、不審な動きがあったときに、原因を調べるための大事な情報源です。
そのほか、不正ログインを防いだり気づいたりする対策、不要なアカウントを残さないこと、推測されやすいパスワードを使わないこと、通信の暗号化も点検項目です(出典:IPA「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条」)。
警察庁も、管理者のIDとパスワードを適切に管理することを挙げています(出典:警察庁「ウェブサイト改ざん対策」)。

確かめておきたいのは、管理画面に入れる人を誰が管理しているのか、頼んだ先が誰の名前のアカウントで作業しているのか、の2点です。

保守費用の相場は?数字の代わりに、作業の範囲をそろえて比べます

確認した範囲では、保守費用・更新費用の相場を示す公的な統計は見当たりませんでした。
頼む作業の範囲と量が、会社ごと・契約ごとに違うため、金額の幅だけを並べても、自分の見積もりが高いのか低いのかは判断しにくいからです。
そのためこの記事では、金額の幅は並べず、比べ方を示します。

ホームページ全体の月々の費用についての民間の調査は、維持費の記事で紹介しています。

見積もりや契約書を手元に置いて、次の3つの順で比べてみてください。

  1. 見積もりや契約書を、次の章のチェック表の行に並べ直す(書かれていない作業は「書かれていない」と書き込む)
  2. 回数・量・時間の条件をそろえる(文章の差し替えは月に何回まで・何ページまでか、不具合の連絡にいつ返事が来るか、など)
  3. 含まれない作業を頼んだときの扱い(別の見積もりになるのか、料金表があるのか)を聞く

ホームページを作るときの費用を探している場合は、ホームページを作るときの制作費の相場をご覧ください。

保守費用が高いと感じたら

「高い」「低い」は、金額だけでは決まりません。
表に並べた中身で見ると、判断しやすくなります。

高いと感じたときは、使っていない作業が入っていないか、自分でできる作業(文章の差し替えなど)まで任せていないかを見ます。
金額が低いと感じたときは、「保守・更新は必要?」の章で見た3つの作業が入っているかを見ます。
入っていなければ、その作業を誰が行うのかを決めておきます。

見積もり・契約書で確かめる項目のチェック表

見積もりや契約書を手元に置いて、行ごとに「含まれる」「別料金」「自分で」のどれかを書き込んでいきます。
書き込めない行は、頼んだ先(頼む予定の先)に聞く項目です。

※どの作業が保守・更新の料金に含まれるかは、依頼先と契約の内容で決まります。
次の表は「含まれているはずの一覧」ではなく、確かめるための一覧です。

記入欄は空けてあるので、コピーして使ってください。

安全に動かし続けるための作業

先に見た、誰かが続ける必要のある作業を、行にしました。

作業見積もり・契約書で確かめること含まれる・別料金・自分で
WordPress 本体・プラグイン・テーマの更新誰が、どの間隔で更新するか/更新で表示が崩れたときに直すところまで入っているか
サーバー側のソフトの更新サーバー会社・頼んだ先・自分のどこが受け持つか
バックアップ取る間隔と、更新の前にも取るか/戻す作業を誰がするか
ログの確認・不正なファイルの確認確かめる間隔と、気づいたときに誰へ連絡が来るか
アカウントとパスワードの管理管理画面に入れる人を誰が管理するか/作業する人のアカウントが自分の名前で分かるか
通信の暗号化(https)証明書の更新を誰がするか

内容を変える作業と、困ったときの対応

中身を変える作業は、範囲と回数の決め方が契約ごとに違うので、量まで確かめます。

作業見積もり・契約書で確かめること含まれる・別料金・自分で
文章・写真の差し替え月に何回まで、何か所までか/頼み方(メール・電話など)と、反映までの日数
ページの追加・デザインの変更保守の範囲か、別の見積もりか
表示されない・動かないなどの不具合連絡の方法と、返事が来るまでの時間/土日や夜の扱い
改ざんなどが起きたときの復旧元に戻す作業が保守に入るか、別の見積もりか
表示が止まったときに気づく仕組み(いわゆる死活監視)頼んだ先が気づいて知らせてくれるか、自分で気づく必要があるか
アクセスの集計や報告報告があるか、どの間隔・どんな形か

契約を終えるとき・ほかへ移るときの扱い

保守を頼む前に、やめるときのことも同じ契約書で確かめておくと、後から選び直しやすくなります。

項目見積もり・契約書で確かめること確かめた内容
サイトのデータ解約のときに受け取れるか/受け取れる場合の形と、費用の有無
ドメイン誰の名義で登録されているか/解約のときにどうなるか
デザインや文章を使い続けられるか解約やほかへ移った後も使えるか
契約の期間と、やめるときの申し出最低の契約期間があるか/期間の途中でやめるときの費用(違約金など)/いつまでに申し出ればよいか

お金を払って作ってもらったデザインや文章が著作物にあたる場合でも、著作権は作った側にあるのが原則で、譲るかどうかは契約で決めます(出典:著作権法 第17条・第61条)。
解約やほかへ移った後も使い続けられるかは、契約書で確かめます。

なかでも、契約の前に確かめておきたいのは、最低の契約期間があるかどうかと、その期間の途中でやめるときに費用(違約金など)がかかるかどうかです。
違約金の有無や額の決め方は、契約ごとに違います。
説明を聞くだけでなく、契約書のどこに書かれているかまで確かめておくと、後から選び直すときに迷いません。

どこまで任せるか:自分でやる・一部任せる・まとめて任せる

外部に依頼して自社のホームページを作った人に、作った後の管理・運用を誰が行っているかを聞いた調査では、「主に自社だが一部を外部に委託」が48.8%、「完全に自社で管理」が23.4%、「主に外部に委託だが一部は自社で対応」が22.4%でした(出典:株式会社ハイファクトリ「ホームページ作成費用の実態調査」、調査時期:2026年2月18日、対象:過去5年以内に外部に依頼して自社のホームページを制作・リニューアルし、費用感を理解している全国の20〜50代303名)。
作った後の作業は、全部を任せるか自分でやるかの二択ではなく、分けて持つ形もあります。

※この調査は、外部に依頼して作った人が答えたもので、自分で作った人は含まれていません。

自分でやる(保守の契約を結ばない)

管理画面での更新の操作とバックアップに時間を取れる方、文章や写真の差し替えも自分でやりたい方に向いています。

WordPress の更新には、自動で入るものもありますが(出典:WordPress.org 日本語版「WordPress のアップグレード」)、どの更新が自動で、どれが自分の作業なのかは、自分のサイトの設定で確かめます。
クラウドなどのサービスを使うときは、サービスの側と自分の側の責任範囲を把握したうえで対策する、という点検項目が IPA にあります(出典:IPA「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条」第19項)。
チェック表の「自分で」の欄が、そのまま自分の作業の一覧になります。

保守の契約がなくても、ホームページは持てます。
そのうえで、先に見た、誰かが続ける必要のある作業は、自分が続ける前提で組み込んでおきます。

一部を任せる

文章・写真の差し替えは自分でやり、ソフトの更新やバックアップのように、決まった間隔で続ける作業だけを任せたい方に向いています。
逆に、文章の更新を任せて、それ以外は自分でやる分け方もあります。

任せる作業と自分の作業の境目は、チェック表に書いておきます。
境目になりやすい作業、たとえば更新で表示が崩れたときに誰が直すのかは、先に決めておくと安心です。

まとめて任せる

本業が忙しく、更新を任せて本業に集中したい方に向いています。
たとえば、営業時間やメニューが変わったときに、メールで伝えるだけで反映してもらえる形なら、本業を止めずにホームページを新しく保てます。

保守と更新をまとめて任せる場合は、チェック表の回数や時間が、自分の使い方に合っているかを見ます。
制作と公開後の保守を、月額料金にまとめて払う月額制という方法もあります。
仕組みと確かめるポイントは、保守を含めた月額制という選び方で整理しています。

保守費用も含めて、ホームページが元を取れるかの考え方は、保守費用も含めた費用と費用対効果のまとめで紹介しています。

まとめ

  • 保守費用は、どの作業をどこまで任せるかで決まります。
  • ソフトの更新、バックアップ、ログやパスワードの管理は、誰かが続ける作業です。
  • 相場の数字より先に、作業の範囲・回数・時間をそろえて比べます。
  • 最低の契約期間と途中でやめるときの費用、解約のときのデータ・ドメイン・デザインの扱いも、同じ契約書で確かめます。

まずは、いまの見積もりや契約書を出して、チェック表の1つ目の行から書き込んでみてください。
書き込めなかった行が、頼んだ先に聞くことのリストになります。
表を埋めて迷った行は、そのまま相談に持っていくと話が早く進みます。
保守を頼まないと決めた方も、同じ表が、自分の作業の一覧としてそのまま使えます。

参考にした資料

費用のことを、まとめて整理したい方へ

制作費・維持費・作り方ごとの違いと、「元が取れるか」の考え方を1つの記事にまとめています。

ホームページの費用と費用対効果の考え方を読む

執筆・監修:中村覚信(2級WEBデザイン技能士)

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